エネルギー代謝の研究は、全身の細胞の中で多くのエネルギーを作り出し、それを健康の維持に効果的に使ってもらおうという考えで進めています。発達障害児の極端な偏食にも対応するためにサプリメントの使用を前提に質問をされる保護者の方がいるのですが、「その前にすることがある」と話をさせてもらっています。
これはよく言われる「食事での改善に取り組むことが大切でサプリメントなどは二の次」ということではなくて、有効な成分が摂取できるサプリメントを使用すれば他に何もしなくても好結果が得られるわけではないことを伝えようとしているのです。
エネルギー代謝はエネルギー源を細胞のミトコンドリア(エネルギー産生の器官)に多く取り込めば高まっていくことは明らかにされていて、そのための代謝促進成分としてL‐カルニチンが有効であることも確認されています。L‐カルニチンの実践研究は20年にも及んでいます。
しかし、エネルギー代謝のためにはエネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)が高エネルギー化合物のアセチルCoAに効率よく変化させるための、すべての水溶性ビタミンが必要になります。
アセチルCoAが取り込まれてエネルギーを産生するミトコンドリアのTCA回路でも水溶性ビタミンの4種類のビタミンB群(ビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂)が必要です。これらが1種類でも不足するとエネルギー代謝は大きく低下してしまいます。
これだけのことを考えても食事は大切で、これをサプリメントだけで補うとすると多くの種類が必要になってきます。
エネルギー源が摂ればよいわけではなくて、身体活動も必要です。全身の細胞でエネルギー代謝を高めるためには、全身運動となる有酸素運動か、全身を動かすような日常活動が必要になってくるのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)