糖尿病の患者は成人人口(約1億人)のうち約1000万人、その予備群も約1000万人と推定されていて、成人の5人に1人が糖尿病か予備群という、まさに国民病の状態となっています。
この調査は厚生労働省の国民健康・栄養調査の結果ですが、コロナ禍にあって令和元年調査(令和2年に発表)を最後に、2年間は調査が行われていません。コロナ禍で外出が減り、運動不足、食べ過ぎ、健診の減少、通院患者の減少が重なったことから、国民的に糖尿病と予備群がどれくらい増えたのか、その結果は不安で仕方がありません。
糖尿病は食べ過ぎ、飲み過ぎで摂取エネルギー量が増えただけでなく、運動や日常的な活動による消費エネルギー量が減ったことでも血糖値が上昇することで発症しやすくなります。
エネルギー代謝が高ければ、摂取エネルギー量が多くても血糖値が高い状態が続くことはなくなるはずです。エネルギー代謝は運動をすれば高まるというものの、これまでと同じ運動習慣を続けていても年齢が進むにつれて低下していきます。
その理由としてはエネルギー消費が多い筋肉の減少があげられることもありますが、それ以上に大きいのは全身の細胞に脂肪を取り込む能力が加齢によって低下していくことが大きな理由となっています。その能力に関わっているのは代謝促進成分のL‐カルニチンの量で、20歳代前半をピークに体内での合成量が減っていきます。
摂取エネルギー量と消費エネルギー量のバランスだけの話ではなくて、L‐カルニチンの材料となる必須アミノ酸のリシンとメチオニンを摂取することと、細胞のミトコンドリアの中でエネルギー産生を進めるために必要な水溶性ビタミンを欠かすことなく摂取することが重要になります。
それを行っても、高血糖状態になると、血液中で濃くなったブドウ糖が赤血球をくっつけ、毛細血管の流れを低下させることから全身の細胞に運ばれる酸素の量が減っていきます。ミトコンドリアでの代謝は酸素を使って行われているので、酸素不足は代謝を大きく低下させることになってしまうのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)