エネルギー代謝90 アクティブ・リラクゼーションのすすめ

リラクゼーションというと、心身ともに緊張を解きほぐして、リラックスすることを指しています。医学的にはストレス反応として自律神経の交感神経が興奮するのに対して、副交感神経の働きを優位にすることを指しています。

ゆっくりと身体を休めることが目的とされますが、休んでいるだけでは身体をよい状態に改善することができないというのが、エネルギー代謝科学の考え方です。心身ともに回復させていくためには、エネルギーが必要で、そのエネルギーを体内で多く作り出すことが必要となります。

積極的に動くことによって、リラックスした状態になることはアクティブ・リラクゼーションと呼ばれます。この場合のアクティブというのは、リラックスできる環境を積極的に求めていくということではなくて、身体を動かすことによって神経伝達物質を多く作り、神経伝達を進め、脳の緊張状態を積極的に改善していくことが重要となります。

神経伝達物質は興奮作用があるアドレナリンやドーパミン、抑制作用があるセロトニンが代表的なものです。リラクゼーションのためには抑制作用があるセロトニンを多く作り出すことが必要で、セロトニンが多くなるとアドレナリンやドーパミンが減って興奮が抑えられるようになります。

セロトニンは必須アミノ酸のトリプトファンから体内で合成されます。脳神経で多く使われるものの、脳で合成されるのは全体の10%ほどで、90%ほどは腸内で作られています。

腸内環境がよい状態で多く合成されるので、腸内細菌の善玉菌を増やすために、善玉菌の栄養源になる糖質や食物繊維を多く摂ることが第一条件となります。糖質は脳のエネルギー源のブドウ糖の補給源ともなります。

トリプトファンは大豆・大豆製品(納豆、豆腐、豆乳など)、牛乳・乳製品(チーズ、ヨーグルトなど)に多く含まれています。アクティブ・リラクゼーションのためには、こういった食品を多く摂ることも大切になります。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)