骨の約60%はカルシウムなどの無機質で、約40%はたんぱく質(コラーゲン)などの有機質となっています。また、カルシウムは、心臓や手足の筋肉を動かしたり血液を固まらせるなどの働きもしているため、血液中には常に一定量のカルシウムが存在している必要があります。その調整をしているのが副甲状腺ホルモン、カルシトニンなどのホルモンです。
血液中のカルシウム濃度が低くなると、副甲状腺ホルモンが分泌されて骨からカルシウムを溶かし出し、血液中のカルシウムを増加させます。副甲状腺ホルモンは、活性型ビタミンD₃の合成を促進する作用もあります。活性型ビタミンD₃は、ビタミンDが活性化したもので、腸管でのカルシウム吸収を促進したり、骨の代謝を促進する働きがあります。逆に血液中のカルシウム濃度が高くなると、カルシトニンが分泌されて血液中のカルシウムが骨に蓄積されるようになります。
このように骨は、カルシウムの供給源と貯蔵庫の役割を果たしているので、食事から摂るカルシウムが不足すると、材料不足で骨形成が低下するだけでなく、血液中のカルシウムの不足を骨から溶かし出して補うために骨密度が減少することになります。
骨密度を高めるためにはカルシウムの摂取とともに、コラーゲンが重要な役割を担っています。コラーゲンが網の目状に張り巡らされているところにカルシウムなどの骨を構成する成分が付着していくため、コラーゲンが充分に補われていること、破壊されることなく存在していることが必要になります。
ウォーキングなどの運動をするとコラーゲンを作り出す骨芽細胞の働きが活性化されていきます。運動は血流をよくしてカルシウムなどの成分を骨に多く届ける役目もします。筋肉を動かすためにはカルシウムが使われるので、その分を考慮してカルシウムは多めに摂るようにしたいものです。