カルシウムは骨を丈夫にするものという印象がありますが、それ以外にも血液とともに全身を巡って、さまざまな働きをしています。
その働きとしては、血液凝固、筋肉収縮と弛緩、神経系の調整やストレスの軽減のほか細胞内外のカルシウム濃度の調整による細胞の機能の調整、ホルモン分泌の促進、ナトリウム排泄による血圧調整をする作用があげられます。
最新の研究では免疫強化、高血圧や糖尿病、動脈硬化の改善、脂肪吸収の抑制、皮膚や爪の再生の促進などの有効性も発表されています。
また、腸壁を刺激して蠕動運動を盛んにして、便通を促進する作用があります。健康の維持ということでは、この作用も大切なことです。
カルシウムが骨のミネラルというイメージを抱かれがちなのは、カルシウムの多くが骨に多く蓄積されているからです。カルシウムの量は体重の約2%を占めていて、そのうちの約99%が骨や歯にあり、約1%が血液や筋肉中にあります。
その約1%の内訳ですが、約0.9%が細胞に、約0.1%が血液や体液中にカルシウムイオンとして溶け込んでいます。
この0.1%という割合が重要で、少ない量で作用するということは、わずかに減少するだけでも大きな影響を与えることになります。
血液100cc(100ml)あたりでは10mgのカルシウムが必要で、不足すると骨に蓄えられているカルシウムが溶け出て使われます。
不足した分は骨から補われるからよいのではないか、との考えをされることがあるかもしれませんが、一時的に不足したしただけでも、さまざまな体調不良が引き起こされます。
一般に言われる骨粗鬆症や骨軟化症だけではないのです。
どのようなことが起こっているのか、それについては徐々に明らかにしていきます。何が、どんなメカニズムで起こっているのかがわかれば、その対処法も見えてくるようになります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕