骨粗鬆症の検診は、骨密度測定によって行われます。骨密度測定の結果、骨密度がやや低い程度(若年成人の平均骨密度の80~90%)の場合は、「要指導」で、食生活や運動などの生活改善の指導を受けます。
骨密度があるレベル以下(平均骨密度の80%以下)に低下している場合は、「要精検」で、医療機関で精密検査を受ける必要があります。
精密検査では、背骨のエックス線撮影、DXA法(2種類のエックス線)による腰椎の骨密度測定、血液検査、尿検査を行います。背骨のエックス線写真で脊椎の圧迫骨折があれば、骨粗鬆症と診断されます。
血液検査や尿検査によって他の疾患がないことを確認したうえで、骨密度が平均値の70%以下であれば「骨粗鬆症」、70~80%は「骨量減少」と診断されます。
女性は、もともと男性よりも骨密度は低めになっていますが、加齢によって減少率は大きくなっていきます。女性は、40歳代後半ごろから月経が不順になり、50歳ごろに閉経を迎えます。この閉経前後の数年間は更年期と呼ばれ、卵巣の機能が衰え、女性ホルモンが減少します。
女性ホルモンは、腸管でのカルシウム吸収の促進や骨吸収の抑制により骨密度を高く保つ作用があるので、閉経後の数年は女性ホルモンの減少により、骨密度が急激に低下します。その後も緩やかに減少していって、女性は60歳ごろから骨粗鬆症が急増します。80歳以上の女性では約7割が骨粗鬆症であるといわれています。
女性が閉経によって急激に骨密度が低下するのに対して、男性も40歳を超えると少しずつ骨密度が低下していきます。年齢を重ねるほど骨密度は低くなり、男性でも70歳以上になると骨粗鬆症の危険性が高くなります。
高齢になって骨密度が減少する原因には、活性型ビタミンDの低下による腸管でのカルシウム吸収の低下があります。また、ビタミンDは日光に当たり紫外線を浴びると皮膚で活性型ビタミンD(ビタミンD₃)に合成されるので、日光に当たることが少なくなることや、食欲が低下して栄養不足になることなども原因となります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕