骨粗鬆症は高齢の人に多い病気で、高齢化が進むにつれて骨粗鬆症の人が増えています。
カルシウムは食事での摂取量が低下していて、必要とされる量に比べると20%以上も不足しています。
ダイエットをしたり、加齢によって食事量が減りがちになると、カルシウムも不足するようになります。
カルシウムの不足は、骨粗鬆症の要因にもなります。骨粗鬆症が恐れられているのは、高齢者の骨粗鬆症による骨折が寝たきりや痴呆につながることが少なくないからです。
生活習慣病の予防と改善のためには、食事制限などをしなければならないことが多くなっていますが、それによって骨が弱くなって寝たきりになったのでは仕方がありません。
骨折しにくい丈夫な骨をつくり、それを維持することとともに、ある程度の年齢になったら骨粗鬆症になっていないか定期的に検査を受けることが大切になります。
骨の約60%はカルシウムなどの無機質(ミネラル)で、約40%はタンパク質(コラーゲン)などの有機質です。
また、カルシウムは、心臓や手足の筋肉を動かしたり血液を固まらせるなどの働きもしているので、血液中には常に一定のカルシウムが存在している必要があります。
その調整をしているのが、副甲状腺ホルモン、カルシトニンなどのホルモンです。
血液中のカルシウム濃度が低くなると、副甲状腺ホルモンが分泌されて骨からカルシウムを溶かし出し、血液中のカルシウムを増加させます。副甲状腺ホルモンは、活性型ビタミンDの合成を促進する作用もあります。
活性型ビタミンDは、ビタミンDが活性化したもので、ビタミンD₃とも呼ばれます。腸管でのカルシウム吸収を促進したり、骨の代謝を促進する働きがあります。
反対に血液中のカルシウム濃度が高くなると、カルシトニンが分泌されて、血液中のカルシウムが骨に蓄積されます。
このように骨は、カルシウムの供給源と貯蔵庫の役割を果たしています。
そのため、食事から摂るカルシウムが不足すると、材料不足で骨形成が低下するだけでなく、血液中のカルシウムの不足を骨から溶かし出して補うので、骨密度が低下することになります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕