カルシウム代謝3 カルシウムの摂取率

日本人のカルシウムの摂取量は少なく、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」と、実際に摂取した量を示す「国民健康・栄養調査」の結果を見ると、必要量の20~30%も下回っていて、栄養素の中では最も摂取率が低くなっています。

カルシウムは食品によって吸収率が異なっています。通常の食品に含まれているカルシウムの吸収率は30%ほどです。小魚やほうれん草をカルシウム源としてすすめられることがありますが、その吸収率は小魚も30%であるものの、ほうれん草は17%ほどとなっています。

牛乳にはカルシウムの吸収率を高める成分のCPP(カゼインホスホペプチド)が含まれているので少し高めの40%ほどとなっています。CPPは牛乳のたんぱく質が消化の過程で生成される成分です。乳製品の中には、加工によってカルシウムの吸収率が50%ほどまで高められたものもあります。

1日のカルシウム摂取の目安量は年齢によって差があり、男女差もありますが、一般には600mgとされてきました。この600mgの裏付けですが、これは生命維持のために1日に必要なカルシウム量である180mgを確保するために、吸収率が30%として計算した結果です。つまり、「600mg×30%=180mg」というわけです。

通常の食事で不足するなら、サプリメントとして吸収しようと考える人も少なくありません。通常のカルシウムのサプリメントの吸収率は、食品と同じ程度で30%ほどとなっています。一般のサプリメントのカルシウムは、牛骨や貝殻が原材料になっています。

栄養機能食品として有効性の一部を表示することが認められており、「カルシウムは、骨や歯の形成に必要な栄養素です」と表示することが許可されています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕