クラシック音楽専門紙が音楽健康指導につながった

社会人としての初めての仕事は厨房業界の月刊機関誌だったというのが公式記録ですが、その前に学生時代から編集の仕事をしていました。ある作家の先生の最後の弟子として大学から歩いて通っていましたが、先生の長男が有名な音楽専門誌の編集長で、アルバイトで新曲のドーナツ盤をレコード会社を回って集めてきて、記事にするという単純な仕事から始めました。この話を若い人の集まりでしたときに、ドーナツ盤という言葉も通じなければ、レコード会社というのも死語だと言われました。レコード会社という表現は今もされてはいるものの、レーベルというのだそうです。私たちの常識では、レーベルというのはレコード会社の中にあるレコードではなくてCDを製作する組織で、そのレーベルごとにアーチストが所属しています。今どきは会社がCDを出しているという感覚ではなくて、レーベルが出しているという感覚で、そのレーベルの連合体が、いわゆるレコード会社ということです。
話は音楽専門誌に戻りますが、ドーナツ盤ということはEP盤の(A面、B面)の2曲だけで、歌謡曲の範囲です。花形の音楽ライターの仕事はLP盤のクラシック音楽で、いつかクラシック音楽について書けるようになろうと、記事になった後のLP盤を借りて勉強(といっても聴いていただけ)していました。
大学では合唱団に所属していましたが、クラシック系よりもポップス系に近い曲を多く歌っていたので、勉強したことが合唱で役立つことは、そのときにはありませんでした。
その後、別の出版社で親しくしていた編集者がレコード会社のクラシック部門の営業に転職をして、今でいう副業として大手新聞社が発行するクラシック音楽専門のフリーペーパーの編集を受けることになり、下請け会社の社長に私が就任しました。フリーペーパーからフリーマガジンになり、今は有料のクラシック音楽専門誌となって続いています。
この編集下請けが終わった段階で、クラシック音楽の世界とは離れたのですが、クラシックCDが数多く残り、これを使って健康づくりを始めました。クラシック音楽に合わせて身体を動かす、クラシック音楽を聴きながら学ぶといったことから始めて、その学ぶ内容が心理学や認知症予防にまで進みました。今、進めようと考えているのは、発達障害児の改善のための活用です。
私の妻の妹が東京藝術大学卒のプロのヴィオラ奏者で、音楽健康指導士でもあり、今は発達障害児支援施設で児童指導員として、音楽を活用した指導をしているということも発想の裏付けの一つになっています。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)