コエンザイムQ10は脂溶性の物質で、腸液で胆汁酸などによって乳化された後に吸収されるために食前の腸液が分泌されていない状態ではほとんど吸収されません。食事をした後に十二指腸から胆汁が分泌されて乳化できるので、食後に摂らなければならない成分となっています。
ところが、コエンザイムQ10と組み合わせて使われることが多いα‐リポ酸は、胃液で分解されやすいので、空腹時に摂るべきものとなっています。その両方が一緒に含まれたサプリメントは、いつ摂ればよいのかわからなくなります。
それを解決するのが胃液で分解されないようにγ‐シクロデキストリンで包接したα‐リポ酸です。包接するのは胃液で分解されないようにするためですが、これによって天然型のR体のα‐リポ酸だけを摂ることができるようになります。α‐リポ酸は分解されやすいので、非天然型のS体とR体を組み合わせたタイプ(ラセミ体)としてあります。体内で使われるのはR体だけなので、摂った分の半分しか使われないことになります。
一般のコエンザイムQ10は吸収性が低く、脂溶性物質の吸収性が高い食後に摂取しても吸収率は1%程度と極めて低くなっています。ところが、γ‐シクロデキストリンで包接されたコエンザイムQ10は吸収率が18倍にも向上するうえに、吸収率の低い食前であっても吸収率は大幅に向上します。
同じ成分であっても、これほどの差があるわけですが、その見抜き方と効果的な摂り方についての情報は、「サプリメントプロ検定」で皆さんに伝えたい重要な知識の一つです。