コエンザイムQ10が医薬品だけでなく、食品としても販売することが許可された2001年には、これで日本人の体質の弱点が解決できるものと喜びながら製品化と、それを使用した人の成果を期待して見守ったものでした。
コエンザイムQ10は細胞のミトコンドリア内でエネルギー産生を行っているTCA回路を働かせる酵素をサポートする補酵素で、これが不足している日本人のエネルギー代謝が改善される可能性があったからです。日本人は代謝が低いために細胞内で脂肪を燃焼させる能力が低く、それが血液中の脂肪を増やし、体脂肪も増やしています。脂肪を摂りすぎる食生活によって体脂肪が増えすぎ、それが生活習慣病の要因となっているだけに、大きな期待が寄せられていました。
コエンザイムQ10の製品は代謝促進がアピールされると思っていたら、せいぜいダイエット効果で、主としてアピールされたのは抗酸化作用でした。実際に使われた結果も代謝面では弱いものでした。
コエンザイムQ10には酸化型と還元型があり、還元型のほうが体内で使われやすいという報道がありましたが、その還元型でも成果が出にくかったのは吸収率が低かったからだということは後々になってわかったことです。新たな素材が登場したときには、優れていることを示すために吸収率の高さがアピールされることが多かったのですが、コエンザイムQ10は体内での作用の話が中心になり、吸収率が大きく扱われることはありませんでした。
そのせいもあって、今になってもコエンザイムQ10の吸収率を知らない人、関心を抱かない人は少なくありません。肝心の還元型の吸収率は、わずか1%でしかありません。その吸収率では期待するような代謝の結果が得られなかったのは仕方がないことです。
今では研究開発によって吸収率は最高18%にも高められているものもあります。こういった例は「サプリメントプロ検定」で明らかにしていきます。