コロナ禍でウォーキングの機会が激減した

新型コロナウイルスの感染拡大による自粛の波が1年半を超え、これから先、いつまで続くのかわからない状況となっています。密を避けるための外出の自粛は、歩く機会と時間を減らし、これが健康づくりには大きなマイナスとなりました。さらに自宅にいる時間が長くなったことによる食べ過ぎと飲み過ぎ、健診と検診の減少、生活習慣病での通院の機会の減少、コロナ禍のストレスなどが重なり、国民の健康度を大きく低下させることになっています。
そのことから、感染防止を徹底させた形でのウォーキングの機会が強く求められてきました。しかし、前の東京オリンピック(1964年)から全国的に歩く機会を設けてきた日本ウオーキング協会による全都道府県のウオーキング大会は昨年3月から軒並み中止となりました。外で実施するウォーキングは、三密のうち密閉はないものの大会は多くの参加者が同時に長距離を会話をしながら歩くことから密集と密接が懸念され、さらに会場の行き来で人流が増えるということもあって、今も再開の時期は見えてきていません。
ウオーキング大会は日本ウォーキング協会が主管して、自治体が主催して参加者集めをして、都道府県のウオーキング協会が運営をする形で実施してきました。コロナ感染の不安だけでなく、コロナ対策で余裕がない中で、自治体が主導するウオーキング大会は、以前と同じ形、同じ規模で実施することができるのかというと不可能であろうという見方が優勢です。
ウオーキング大会が中止となり、日本ウオーキング協会も本部の動きが止まり、都道府県のウオーキング協会も活動が進んでいない状況です。大都市部では地方協会は独自の活動をしていますが、それ以外のところでは地域の歩こう会、徒歩の会などがウオーキング大会のときには集まって都道府県協会として動くものの、それ以外は地域の会(市町村協会)単位で活動をしているというのが実情です。
岡山県を例にあげると、以前は8地域に市町村協会がありましたが、徐々に減り、さらにコロナ禍で減って、現在は3地域だけとなっています(岡山、倉敷、玉島)。
日本ウオーキング協会では、大会の主管のほかに、指導者の資格認定講習を複数実施してきました。その中には健康ウオーキング指導士もあることから、健康のための歩き方、体調に合わせた歩き方を身につけたいという参加者も多数いました。しかし、同協会の資格認定はウオーキング大会の運営が中心で、生活習慣病の人が参加した場合に安全に運営するための注意点が示されるだけです。
生活習慣病になると医師から歩くことがすすめられます。歩くことによって血圧、血糖値、中性脂肪値、コレステロール値を下げたいと願っている人の要望をかなえるものではなかったのです。では、どうすればよいのか、については次に続きます。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)