サプリメントと健康食品は同じものと分類されがちです。一般にはサプリメントはアメリカのダイエタリーサプリメントを略したもので、日本語では健康食品、健康補助食品などと訳されています。国から発表されている文章でも“健康食品”が使われています。パソコンの変換ソフトの中にはサプリメントと打つと変換用語に健康食品が出てくるものもあります。
サプリメントは補うものの意味で、食事では不足する成分を補うために摂るものを指しています。そのためにビタミン、ミネラルを指していると一般には認識されています。ビタミン、ミネラルは不足すると身体機能の低下を起こすので、補うことで正常な状態に戻していくと考えられています。それに対して、健康食品は特定保健用食品、機能性表示食品だけでなく一般の健康食品の範疇のものにも求められる健康効果を与えてくれるものがあります。こういったことから比較すると、健康食品のほうが優位との考えが出てくるのも当然のように思われます。
素材に注目すると、サプリメントにも健康食品にも使われているものがあります。その代表的なものはα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10です。この3種類の成分は医薬品にも使われていて、医薬品から食品にも使われることが許可されたものです。それだけエビデンス(科学的な裏付け)が得られているものということですが、サプリメントに使われている素材と健康食品に使われている素材は異なっていると認識しています。
健康食品としてのα‐リポ酸は天然型と人工型を組み合わせた半分しか体内で使われないものが大半で、コエンザイムQ10は吸収率が1%ほどと低くなっています。また、L‐カルニチンは味にも問題があって多くの量が使われていないということがあります。こういったことから体内で使われる量が少なく、機能を補うのに充分な量にはなっていないことが指摘されています。
これに対してサプリメントのほうのα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10はシクロデキストリンの活用によって体内で多くの量が使われることが可能になって、本来のサプリメントの効果が得られるようになりました。本来の、というのは、α‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10は20歳代をピークに加齢によって体内の合成量も蓄積量も減ってくるので、それを補うことを指しています。
α‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10の概要については、このサイトの「サプリメント事典」を、ご覧ください。