「サプリメントプロ検定」の座学講習を開催しました。これは上位資格者として普及に務める方々を対象としたものですが、その講習の中でサプリメントと健康食品の区分についての質問がありました。一般向けの講習ということで詳しくは分けてはいませんが、私たちはサプリメントと健康食品を明確に分けて研究を進めています。
サプリメントはアメリカの「ダイエタリー・サプリメント」(Dietary Supplement)を略したもので、「日常の食生活では不足する栄養成分を補うもの」とされています。「ダイエタリー」は食事、食べ物を指しています。ダイエタリーというと、“やせるための”という意味だと感じている人もいます。ダイエット(Diet)は、やせる、食事制限、運動といった意味に一般に使われているので、そんな意味に捉える人も出てくるのでしょう。
しかし、Dietの元々の意味は戦略、作戦、方針といった意味で、英語では国会もDietと表記されます。正しい方針に基づいて行動することがダイエットであり、そこから転じて正しい食事、正しい運動がダイエットとされるようになりました。「サプリメント」は補助、補充、補足といった意味があり、食事からでは充分に摂ることができない成分を補うのがサプリメントです。
サプリメントは、食事のバランスが取れていれば必要がない、と言われることがあります。この場合に指しているのは主にはビタミン、ミネラルのことです。だから、バランスが崩れたときにはサプリメントとしてビタミン、ミネラルを摂ることがすすめられるわけです。
これに対して健康食品は身体によい機能成分が含まれているものですが、摂らなければ生命維持ができない、内臓や器官が働かなくなるというものではありません。絶対に必要なものを補うのがサプリメントで、必ずしも必要とはいえないものが健康食品という分類です。
ビタミン、ミネラルの他に、三大ヒトケミカルのα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10もサプリメントとしています。というのは、この3成分は、細胞のミトコンドリアの中でブドウ糖、脂肪酸、アミノ酸を燃焼させてエネルギーとするために必要な成分で、他に代わりとなるものがないからです。食品に含まれているものの、体内で合成されるために吸収率が極めて低くなっています。そして、20歳代をピークに減少し続けるので、年齢を重ねるほど常に不足した状態になる成分です。
しかし、サプリメントの形状となったものからは効率的に吸収できるので、まさに生命維持に必要な“サプリメント”と位置づけられているのです。