サプリメントは食品だから制限はないのか

サプリメントや健康食品の表示には、どんな人が、どれだけの量を、どのタイミングで摂るということは書かれていません。そのことを表示してよいのは医薬品だけで、これらのことを表示したら、そのサプリメントは医薬品とみなされて、医薬品の規制が適用されます。医薬品ではないものが医薬品としてみなされることで、無許可無承認医薬品となり、販売停止や行政の処罰を受けることになります。
そのため、「1日に○粒を目安に」という表示がされています。“錠”という文字は医薬品だけに許されているので“粒”が使われます。形状がカプセルであっても、です。
このような表現だと、いくら摂ってもよいようなイメージも持たれがちで、健康食品をすすめる人の中には、これは法的に絶対に言ってはいけないことではあるのですが、「病気を治すには2倍から3倍を摂るべき」ということを主張する人も出てきます。
その表現はもってのほかとしても、食品であって、目安なので、多く摂っても平気だろうという考えは、普通に出てくることです。そんな考えに、一定の方針が示されたのは2000年のことでした。
当時の厚生省(2001年から厚生労働省)から出された「第6次改定日本人の栄養所要量」で、ビタミン、ミネラルの上限摂取量が示されました。従来は栄養欠乏症の予防が主眼にされていましたが、過剰摂取による健康障害を防ぐために上限が設定されました。
この段階で上限値が設定されたのはビタミンではビタミンA、ビタミンD、ビタミンE,ビタミンK、ナイアシン、ビタミンB₆、葉酸、ミネラルではカルシウム、鉄、リン、マグネシウム、銅、ヨウ素、マンガン、セレン、亜鉛、クロム、モリブデンでした。
これは1997年にビタミンが、1999年にミネラルが医薬品から食品として販売できるように規制緩和されたことを受けての決定です。