「サプリメントは食品なので、いつ摂ってもよい」とされているものの、実際にはタイミングが異なると摂っても吸収されないことがあります。空腹時に摂らなければならないものとしてはα‐リポ酸があげられます。それとは逆に食後に摂らなければならないものとしてはコエンザイムQ10があげられます。それなのに、両方ともダイエットに効果があるということで、一つのサプリメント製品に二つの成分が合わせて使われることがよくあります。空腹時に摂っても食後後に摂っても、どちらかの効果が得られないことになります。
女性誌のライターと話しているときに、「それなら食べているときに摂ればよいのですか」と聞かれたことがあります。空腹時は胃が空の状態で、食後は胃の中にたくさん入っているときだから、その中間の食べている途中で摂ればよいのではと考えたのかもしれませんが、胃の中の状態は食後と変わりがありません。「クスリなら食間に飲むものもあるのに」とも言われましたが、そのライターさんは食間の意味を間違えて理解しているようでした。
医薬品を飲むタイミングの“食間”は、食事と食事の間のことです。ライターさんの考えだと、食間に飲むクスリは食べている途中で箸を置いて、クスリを飲んでから、また食べるということになります。このタイミングは“食中”です。
摂るタイミングが異なるサプリメント素材であっても一緒に摂って問題がなくなる方法としてはシクロデキストリンで包接する方法がありますが、商品の種類としては少数派です。今のところ誰もが買って摂れるというものではなく、その普及には力を入れているところですが、手に入れる方法がないという人のために、別のもので摂る方法も紹介しています。
代謝を促進する三大ヒトケミカルのα‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10のうち、空腹時(食前)に摂るものでは、α‐リポ酸とL‐カルニチンが使われたものを選びます。L‐カルニチンは水溶性のため、いつ摂っても吸収される性質となっています。食後に摂るものでは、脂溶性のコエンザイムQ10とL‐カルニチンが使われたものを選びます。ただ、L‐カルニチンはたんぱく質との相性がよくて、たんぱく質が含まれた食品(肉、魚、卵、豆など)を食べるときに摂ることで吸収がよくなります。
α‐リポ酸とL‐カルニチンが使われたものを空腹時に摂る人は、食後にコエンザイムQ10を摂ることで3種類の代謝促進成分を摂ることができます。コエンザイムQ10とL‐カルニチンが使われたものを食後に摂る人は、空腹時にα‐リポ酸を摂ることで3種類の代謝成分を摂ることができるというわけです。
α‐リポ酸、L‐カルニチン、コエンザイムQ10については、このサイトの「サプリメント事典」を参照してください。