サプリメント相互作用12 血圧編:塩分と体内水分増加による変化

食塩感受性については前回(サプリメント相互作用10)説明しましたが、食塩感受性が高くない人は食塩(ナトリウム)と血圧は無関係であるものの、日本人は食塩感受性が高い人が多く、食塩の摂りすぎには注意が必要であると指摘されています。

食塩を空気に触れさせておくと固まっていくのは、ナトリウムが空気中の水分を取り込むためです。血液中のナトリウムが増えたときにも、ナトリウムが水分を多く取り込むために、血液循環量が増えることになります。

また、塩分が多くなると喉が渇いて、水を多く飲むようになることでも血液循環量が増えていきます。そのために血圧が上昇します。

さらに、ナトリウムが多くなって血液中の塩分濃度が高まると、細胞組織の活動が低下するために水分を薄めることが必要になります。そのために腎臓から血液中に戻される水分が多くなり、血液循環量が多くなって心臓に負担がかかるようになって、血圧が上昇していきます。

血液中のナトリウムが多い状態が長く継続すると、血管の細胞内にナトリウムが入り込むようになります。そして、ナトリウムが水分を細胞内に取り込み、細胞が膨らんでいくために血管壁の内径が狭くなり、血圧が上昇しやすくなります。

食塩感受性が高くない人は、食塩を多くとっても血圧が上昇しにくいのが一般的な考えですが、ナトリウムの過剰摂取は着実に血管の細胞を膨らませていきます。

細胞は一定の水分量が保たれているときに新陳代謝が正常に行われます。水分量が多くなりすぎた細胞は新陳代謝が低下することから、細胞の老化が進みやすくなり、血管がダメージを受けるようになっていくのです。
〔サプリメントデザイン推進機構 小林正人〕