サプリメント相互作用20 難消化性デキストリンの難点

難消化性デキストリンは使い勝手がよい成分で、難消化性デキストリンを使用することで機能性表示食品として届出ができることから、多くの機能性表示食品の配合成分となっています。また、特定保健用食品の成分としても認められています。

難消化性デキストリンは、加熱処理したトウモロコシ、ジャガイモのデンプンをアミラーゼ(デンプンの消化酵素)で加水分解した難消化性の高分子の水溶性食物繊維を取り出したものです。

その機能としては、以下のことが確認されています。
・糖の吸収速度遅延作用による食後血糖の上昇抑制
・脂肪の吸収速度遅延作用による食後血中中性脂肪の上昇抑制
・整腸作用による便通改善

糖と脂肪の吸収を遅らせる作用は、粘度が高いことから胃から小腸へと運ばれるのに時間がかかるために起こっていることです。難消化性デキストリンは粘度の高さのために、ミネラルや有効成分を吸着して、その分だけ吸収されにくくなります。

ミネラルについては、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛の吸収には大きく影響しないことが確認され、そのことが機能性表示食品の届出情報の中にも掲載されています。この他のミネラルについては記載がなく、他の機能性成分についても明らかにはされていません。

以前から難消化性デキストリンと一緒に加えた成分が吸着されて吸収されにくくなることが指摘されていました。医薬品の成分も一部が吸着されて吸収されないことも懸念されています。

難消化性デキストリンは作用機序(体内で働く作用)から食後に摂るのが効果的で、医薬品の多くは食後に服用します。そのために、医薬品の成分が吸着されると医薬品の効きが悪いことになります。

その結果、医薬品が効きにくいからと量を増やされたり、強い種類に変えられることにもなりかねません。そこで難消化性デキストリンの摂取を禁止する医師や薬剤師もいるものの、摂取している人が難消化性デキストリンが含まれていることを知らないまま使っていることもあるのが実際のところです。
〔サプリメントデザイン推進機構 小林正人〕