サプリメント相互作用21 ビタミンKの摂取禁止

相性がよくない食品の組み合わせは以前から言われてきましたが、それを遥かに超えるのは医薬品と食品に含まれる成分です。中でも注意が必要なのは、ワルファリン(ワーファリン)とビタミンKの組み合わせです。

抗凝固剤のワルファリンはビタミンKの働きを抑えて、血液を固まりにくくして、血栓ができるのを防ぐ作用があります。血栓が血管に詰まると、そこから先は血液が送られなくなるので血管に大きな影響が起こります。特に血栓の被害を受けやすいのは脳と心臓です。

ワルファリンは静脈血栓症、心筋梗塞症、脳血栓症などの治療と予防に用いられています。

ビタミンKは血液を凝固させる働きがあり、出血をしたときにはビタミンKによって出血を抑えることができます。また、ビタミンKはカルシウムを骨に沈着させて骨密度を高める働きもあります。

本来は重要なビタミンであり、ビタミンKが多く含まれる納豆は、良質なたんぱく質も多いことから、血管の健康維持には大切なものです。ところが、ワルファリンを使っているときには、医薬品の効果を減弱させることになるため、薬局で渡される医薬品の注意事項には納豆を食べないことが書かれています。

サプリメントではクロレラや青汁にもビタミンKが多く含まれているので、そのことを把握している医療機関ではクロレラも青汁も禁止していますが、すべての医療機関の注意事項に書かれているわけではありません。クロレラも青汁も栄養豊富な食品というイメージが強いことから、安心して飲み続けている人も多いのですが、ワルファリンを使う場合には絶対に禁止です。

クロレラと青汁のビタミンKとワルファリンの相互作用については、メディアでも取り上げられるようになってきましたが、人気のサプリメント成分にもワルファリンと相性がよくないものがあります。それはコエンザイムQ10です。

コエンザイムQ10にはビタミンKに似た作用があって、ワルファリンの働きを減弱させます。コエンザイムQ10は抗酸化作用が強く、血液をサラサラにして、血管を守る働きもあります。コエンザイムQ10は、うっ血性心不全の治療薬で、2000年までは医薬品としてしか使えないものでした。

2001年からは食薬分類の変更によって、食品の成分としても使用することができるようになったものです。それだけ効果が高いサプリメント成分と認識されているものの、効果があるということは相互作用が起こりやすいということです。
〔サプリメントデザイン推進機構 小林正人〕