サプリメント相互作用4 健康食品の種類による機能の違い

健康食品で示される機能性が同じであっても、栄養機能食品、特定保健用食品、機能性表示食品によって内容が異なっています。同じ機能性が示されていれば、同じ効果が期待できるというわけではありません。

栄養機能食品は長年の使用の経験値がある栄養成分(ビタミン13種類、ミネラル6種類、脂肪酸1種類)であれば、内容は同じであるとの前提で、同じだけの分量が含まれていれば同じ効果があるとされるものです。

特定保健用食品は実際に販売される製品を使って、医薬品と同様の比較試験が人間を対象にして複数行われて、一定の効果が確認されていることが条件となっています。そして、消費者庁の許可を得て販売されます。

それに対して機能性表示食品は安全性と機能性に関する科学的根拠を消費者庁長官に届け出ることによって機能性を表示して販売できるもので、製品を用いての試験結果だけでなく、他社の論文の結果を使用することができるので、同じ素材名であれば同じ機能性があるということを前提としています。

素材が同じであっても産地や栽培法、部位、収穫時期、加工法などによって有効となる成分の量が変わってくるのは当然のことです。また、試験方法も消費者の期待とは異なるところがあります。

機能性表示食品に限らず、生活習慣病の予防や改善が期待されていますが、機能性表示食品も特定保健用食品も疾患(病気)がある人は試験対象から除かれています。子どもや妊娠可能な女性は試験対象とはなっていません。

そのことは製品やチラシなどにも表示されていないので、女性や子どもは実際に効果があるのか裏付けがないままに使っていることになります。

栄養機能食品、特定保健用食品、機能性表示食品以外の健康食品の場合には、試験の内容について定められているわけではないので、どのような試験が行われているのかを確認しないと有効性と安全性を確認することができないということになります。

これらの健康食品を1種類だけ摂っているのなら相互作用は確認しやすいのですが、複数を摂っている人も少なくありません。そのため、同じような作用機序(体内で効果が現れるメカニズム)がある成分が重なって、健康被害が起こることにもなりかねません。

こういったことがあるので、医師や薬剤師が健康食品を使うことに懸念を示すことにもなっているのです。
〔サプリメントデザイン推進機構 小林正人〕