サプリメントは通常の食事では不足する栄養素を補うものということで、充分な食事が食べられていない人、食べているものに偏りがあって栄養バランスが崩れている人などには必要なものであるということが言えます。健康食品は特定保健用食品、機能性表示食品、栄養機能食品を含んだ健康のためによいとされる食品を指していますが、この中でサプリメントと同様に位置づけられているのは栄養機能食品のビタミン、ミネラル、脂肪酸です。
特定保健用食品と機能性表示食品は一定の範囲であっても身体への機能を述べて販売することができます。これ以外の健康食品にも身体への機能が期待されて、継続的に摂っている人も少なくありません。
健康食品は法律的な分類としては食品となるため、病気を治したり、身体の不調を治すことを目的として摂るものではありません。治すだけではなくて、予防することなら期待できるのではないかとも考えられるところですが、法律(医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)では病気を予防するのは医薬品の役割で、身体の機能に影響を与えるものも医薬品の役割とされています。
医薬品ではない健康食品が治療や予防を述べて販売したときの対応については、法律に基づく「無承認無許可医薬品監視指導マニュアル」によって示されています。それによると、医薬品に許可される範囲に踏み込んだ場合には、食品であっても医薬品とみなされます。医薬品は国の承認と許可を得て販売することができます。医薬品とみなされた健康食品は承認も許可も得ていないので「無承認無許可医薬品」とされ、いわば偽薬となって法律によって厳しく取り締まられることになります。厳しくというのは販売中止だけでなく、すでに販売されたものの回収、新聞などでの報告、罰金などが課せられます。
「無承認無許可医薬品監視指導マニュアル」は、まさに、そのことを示した名称ということです。