サプリ概論127 サプリメントを摂れば野菜は必要ないのか

サプリメント(supplement)は補助、補給、補充といった意味がある用語で、日常の食生活で不足する栄養素がある場合には、サプリメントを摂ることで不足を解消して、栄養バランスを取ることができるものと期待されています。その感覚があることから、野菜不足であってもサプリメントを摂ればよい、嫌いなものを食べなくてもよい、と考える人も少なくありません。
青汁のテレビCMを見ていると、野菜を食べなくても大丈夫という印象を与えるような表現がされています。サプリメントでビタミンとミネラルを補充するのに比べたら、食物繊維も、活性酸素を消去する抗酸化成分も摂れるので、まだよいような感じがするかもしれませんが、人間は雑食であって、たった一つの食品だけで、すべての栄養素を補うことができるようには身体はできていません。
野菜には緑黄色野菜と淡色野菜があり、その中に含まれている栄養素には違いがあります。根菜類には食物繊維が多く、芋類には食物繊維と糖質が多く含まれています。野菜類の研究が進むにつれて、健康食品と同じような有効成分が発見されるということも相次いでいます。
そもそも健康食品の成分は植物から抽出されたものが多く、血糖値や中性脂肪値、悪玉コレステロールとも呼ばれるLDLコレステロール値を下げてくれるものも発見されています。
今さらウコンの有効性を述べることもないほど有名となっていますが、肝機能を高める作用がある秋ウコンも鬱金という薬用にも使われる植物の根です。
野菜類には、これまで知られてきた成分以外の有効成分が含まれていることが期待されていて、これらの成分を予防のために摂ることを考えても、食べにくいもの、食べられないものは避けて、サプリメントや健康食品で補えばよいということではないのです。