サプリ概論131 なぜビール酵母は安いのか

ビタミン、ミネラル、たんぱく質、食物繊維、核酸などの健康維持に必要な栄養素が豊富に含まれているビール酵母は、消化不良の改善や整腸効果もあって、全体的な栄養バランスを整えるにはもってこいの食品といえます。ある会社のビール酵母の内容を見ると、9種類のビタミン、9種類のミネラル、18種類のアミノ酸が含まれていて、必須アミノ酸は9種類全部が含まれていると書かれています。
ビール酵母は、その名のとおりビールを発酵させる働きがある酵母で、ビールを醸造したあとに残ったものです。そのまま活用しなければ捨ててしまうかもしれないものを有効に活用した健康食品であり、推奨量の1日30個を摂っても1か月で1500円もしません。
これほど安く販売できるのは、ビールの製造法に秘密があります。ビールは熱処理をしたビールと生ビールとあります。人気なのは生ビールで、ビン入りも缶入りも、どこでも手に入ります。これに対して、飲食店でサーバーから注ぐ生ビールがありますが、ビンと缶の生ビールとは内容が異なっています。業務用の生ビールはビール酵母が生きた状態で残っていて、発酵が続いているので、頑丈なアルミ製の樽に入れられています。
それに対して、ビンと缶の生ビールは、普通に考えると破裂するのではないかと思われがちですが、そのようなことは起こりません。というのは、最終段階でビール酵母を取り除いているからで、加熱していないということで生ビールと称しています。
このような生ビールを多く製造すると、取り除かれたビール酵母も多く作られます。ビール製造会社の系列でビール酵母を販売するだけでなく、原材料として他の会社にも販売されています。生ビールが売れるほど、ビール酵母も多く作られるので、安く提供できるというわけです。