サプリ概論139 医薬品と健康食品の同時摂取の効果

医薬品を飲んでいる患者が健康食品を摂っている例は少なくありません。医薬品を使うのは治療のためで、他のことのために健康食品ということなら普通のことです。例えば高血圧症の治療のために降圧剤を使っていて、糖尿病や脂質異常症の予防のために健康食品を使うということです。
ところが、実際に医薬品と健康食品を使っている人には、降圧剤と血圧を下げる作用がある特定保健用食品や機能性表示食品を摂っている、血糖降下剤と血糖値を下げる作用がある特定保健用食品や機能性表示食品を摂っているということが少なくありません。
その気持ちとしては強い薬を使いたくない、薬を減らしたい、できれば薬を使いたくないということがあります。その気持ちはわかるのですが、同じ作用がある医薬品と比べれば、健康食品の効果は弱いものです。医薬品を使っている人が、合わせて健康食品を摂っても期待するような結果が得られないというのが通常のことです。
通常のことと言ったのは、組み合わせによっては効果がある場合もあるからです。例えば血糖値を下げる医薬品で初めに使われるものは、糖質がブドウ糖に分解されるのを阻害することで吸収されるブドウ糖を減らすことが目的となっています。分解の阻害に続いて吸収の阻害と続くのが普通の感覚かもしれませんが、医薬品には吸収を阻害するものはなくて、ブドウ糖を細胞に取り込むためのインスリンの分泌を増やす、細胞への取り込みを進めるという役割の成分が使われています。
これに対して血糖値に作用する健康食品の素材には、吸収阻害の成分が含まれたものがあります。これなら医薬品にはない作用なので、健康食品によって血糖値を下げる効果を得ることができます。その成分はギムネマ・シルベスタといいます。