単純に太ることだけが目的であったら食べる量を増やして、身体を動かさないようにすればよいわけですが、メディカルダイエットが目指している太る方法というのは、体脂肪が少ないために増やしたい人には体脂肪を増やす方法を指導しています。体脂肪とともに筋肉を増やし、筋肉のエネルギーとなるグリコーゲンを増やすことも同時に行っています。つまり、健康的に太る方法を講習でも教えています。
そのために用いているのがエネルギー代謝の促進です。エネルギー代謝というと、脂肪をエネルギー化することがイメージされて、エネルギー化されることで脂肪が減っていくので、やせるための方法と思われがちですが、エネルギー代謝の促進を逆に太る(健康的に太る)ためにも用いています。そのときに使用しているのは代謝促進成分のL‐カルニチンです。
L‐カルニチンというと、代謝促進成分というよりもダイエットのためのサプリメント素材と考えられがちです。以前は医薬品の成分として使用されていましたが、2002年に食品の成分としても使うことが許可されて、サプリメント成分として摂ることができるようになりました。
L‐カルニチンは細胞のミトコンドリアに脂肪酸を通過させるときに必要な成分で、脂肪酸はL‐カルニチンと結びついてミトコンドリアの膜を通過していきます。このことによって脂肪酸のエネルギー代謝が行われるのですが、L‐カルニチンを活用するのは肝臓の重要な働きである合成能力を高めることを目的としています。
肝臓では、食事で摂った成分を材料として三大合成(たんぱく質合成、脂肪合成、グリコーゲン合成)が行われています。その合成を進めるためには、肝臓の細胞の中で作り出されるエネルギーが多く必要で、このエネルギーを使って三大合成が行われます。筋肉をつけるのも、内臓を成長・修復させるのも、エネルギー源として脂肪を脂肪細胞に、グリコーゲンを筋肉と肝臓に蓄積させるのも肝臓の働きです。肝臓の働きを向上させることが身体の強化につながっていく基本となっているのです。
(日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人)