抗酸化ビタミンのビタミンA、ビタミンC、ビタミンEは、どれも活性酸素の欠けているマイナス電子を与えて、害のない通常の酸素に戻す作用があります。ビタミンAは植物の場合にはβ–カロテンに含まれていて、体内でビタミンAが不足したときにβ–カロテンから変化します。ビタミンAは活性酸素によってマイナス電子を奪われた体内の細胞に、マイナス電子を直接的に与えます。そして、電子が欠けたビタミンAは破壊されます。
抗酸化ビタミンのうち最も抗酸化作用があるのはビタミンEですが、大きな弱点もあります。ビタミンEも同様にマイナス電子を与えますが、マイナス電子を与えてバランスが崩れると活性型ビタミンEに変化します。ビタミンEは電子が欠けた状態でも破壊されずに、活性型ビタミンEとなって残ります。この活性型ビタミンEは、活性酸素よりも細胞からマイナス電子を奪いやすく、細胞を破壊しやすくなっています。そのため、ビタミンEを多く摂ったら活性酸素を増やしているような結果にもなります。この弱点をカバーするのがビタミンCの働きです。
ビタミンCには、単独でマイナス電子を与えて活性酸素を消去する働きがありますが、ビタミンCが豊富にあると活性型ビタミンEに欠けたマイナス電子が与えられて、正常なビタミンEに戻ることができます。このことによって、害がなくなるだけでなく、ビタミンCによって正常な状態になったビタミンEは再び活性酸素を消去することができるようになります。
こういったことから3種類の抗酸化ビタミンは「抗酸化ビタミンのACE(エース)」と呼ばれて、組み合わせて使われることが多くなっています。そのため、抗酸化を目的としたサプリメントは、どのようなビタミンが含まれているのかを確認して使うことが大切です。