活性酸素には欠けたマイナス電子を取りやすいものから先に奪っていくという性質があります。身体の細胞よりもマイナス電子が奪われやすいものが近くにあれば、そこから先にマイナス電子を奪っていくために、体内の細胞は活性酸素を奪われないようになり、破壊から守られることになります。活性酸素によってマイナス電子が奪われやすいのが抗酸化物質で、その代表的なものが植物に多く含まれている色素成分です。
紫外線は活性酸素を多量に発生させます。紫外線を浴びることで光合成によって成長する植物が、紫外線を浴びて活性酸素が多く発生して細胞が破壊されていたのでは成長することも生き延びることもできなくなります。そのため、紫外線による活性酸素の発生に対応するために、抗酸化成分を色素の形で作り出し、内部に溜め込んでいます。
植物の色素は紫外線が強いほど多く作られ、多く蓄積されて、色が濃くなる傾向があります。太陽光が強く、紫外線が強い赤道に近い地域ほど植物の色は濃くなっています。赤ワインやココアなどに多く含まれるポリフェノールは植物に含まれる褐色の色素で、この抗酸化成分も日差しが強いところで育ったものに多く含まれています。
抗酸化成分としてはポリフェノールのほかに、緑茶に含まれるカテキン、ブドウやベリー類に多いアントシアニン、藻に多く含まれるアスタキサンチン、ウコンに含まれるクルクミン、マリーゴールドに含まれるルテイン、ゴマに含まれるセサミン、フランス海岸松に含まれるフラバンジェノール(ピクノジェノール)などがあげられます。
抗酸化成分は食品にも含まれるものの、その含有量は少なく、サプリメントから摂るのが効果的です。食品の中で最も強く、多く含まれる抗酸化成分として知られるのはカテキンです。茶葉にお湯を注ぐことによって抽出され、すぐに飲むことでサプリメントに負けない抗酸化作用を得ることができます。ところが、お湯を注いだときから急速に酸化が始まっています。抗酸化作用が強い成分は、体内で酸化されやすく、この性質によって体内の活性酸素を減らす作用があります。体内に入る前に酸化が進んだのでは、酸化した成分を摂ることになります。緑茶は時間が経過するほど酸化が進むので、入れ立てだけを飲むべきです。