グルコサミンが日本で初めて紹介されたときには、すり減った膝軟骨と同じような軟骨成分なので、痛みを改善することが期待されました。グルコサミンと一緒に摂ることで効果があるとされたコンドロイチンは潤滑成分として期待されました。
機能性表示食品制度が始まったときに、痛みがなくなるというのは治療の範囲の表現であるので、軟骨の刺激を弱めるくらいの表現になるのではないか、という期待がありました。しかし、実際にはゆるやかな表現くらいしかできなくて、その代わりにテレビコマーシャルで元気に歩いているシーンや、ゆっくりとしか階段が上れなかった人が楽に上っているシーンを出して、効果をイメージさせるという手法となりました。
グルコサミン、コンドロイチンが使われた機能性表示食品に書かれている表示をみると、製品によって表現が異なっています。「膝関節の違和感を緩和」とか、「膝関節の悩みを改善」と書かれているだけだと、何が言いたいのかわからないような表現です。このような結果が出る試験が実施されて確認されたということですが、その書かれている内容とコマーシャルのイメージが違いすぎる気がします。
「膝関節の違和感を緩和」をうたっている機能性表示食品が、どんな試験を行った結果なのかということで、それを消費者庁のデータベースで確認してみると、「座った状態から立ち上がる時に有意差」があったということで、元気に歩いているシーンや階段を上るシーンは行き過ぎだと指摘されても仕方がないことです。
その製品を使って試験を行った場合には「〜の機能があります」と書くことができるのですが、他社の機能性表示食品と同じ成分を同じ量だけ使っているので同じ効果があると推測されるものや、研究論文の報告を根拠としているものは「〜と報告されています」と書かれています。このことを知っているだけでも、製品の違いがわかります。