ダイエットは太っている人がやせるものというイメージがあるかもしれませんが、実際には“やせたほうがよい人がやせたがらない”、“太っていない人がやせたがる”ということがあります。特にダイエットに強い関心をもって、サプリメントを使ってダイエット効果を高めようとするのは、標準的な体型よりもやせている人のほうです。
一般の健康食品として販売されているダイエットサプリメントは、有効性が認められているものであって、このような対象者に対して試験を実施したということは書かれていません。製品の試験ではなくて、素材について研究したものを、パッケージやチラシ以外で見られるようにするという方法が取られます。
これに対して機能性表示食品は商品パッケージなどに機能性を表示できる制度で、その裏付けは消費者庁に提出する資料として示さなければなりません。そのデータは消費者庁のホームページに掲載されているので、確認することができます。
それを見ると、例えばブラックジンジャーによってエネルギー代謝を高める機能性表示食品には、「BMI23〜30の人の内臓脂肪と皮下脂肪を減らす」ということが根拠として示されています。BMI(Body Mass Index)は体格指数のことで、日本人で最も健康状態が高いのはBMIが22だとされています。BMIが25〜30は肥満1度で、30を超えると肥満2度になります。身長と体重の関係では170cmでBMIが23だと66.5kgですが、BMIが30だと86.7kgにもなります。
これだけの体重の人なら、その機能性表示食品を使えば効果があるということで、それよりも体重が少ない人の場合には、試験が行われていないので、BMIが22以下では効果があるのか、それともないのかはわからないということが、データを見ることで判断することができます。