視界がクリアになる、目のぼやけを改善するという機能性が示されると視力がよくなるように思われがちですが、そのような機能を表示する機能性表示食品は何を改善してくれるのか、それは消費者庁への届出の内容を見れば確認することができます。
このような機能性表示食品に使われているのはルテインとゼアキサンチンで、主にはマリーゴールドから採取・抽出されたものです。数多くある届出の中からピックアップすると、眼の視機能をサポートするとしている製品は、研究論文を根拠としています。
それによると、研究の対象となったのは健康な大学生と大学院生で、ルテイン10mg/日、ゼアキサンチン2mg/日を1年間にわたって摂取させた結果、黄斑色素密度の上昇、光の刺激からの保護、色のコントラスト感度の改善が明らかになったとしています。この結果をもって、眼の視機能をサポートする機能性があるとしています。
この試験の対象者は、実はアメリカの大学生と大学院生でしたが、日本とアメリカでは眼への負担や生活環境は類似しているとしています。また、日本人を対象にしたルテインの摂取では黄斑色素密度の上昇が報告されていることから、そのほかの機能も同じであろうということが根拠として示されています。
もう一つの例は、目の調子を整える効果の研究を裏付けとするもので、健康な成人男女115人に対してルテイン10mg/日、ゼアキサンチン2mg/日を1年にわたって摂取させています。ブルーライトなど有害な光を吸収する眼の黄斑部の色素密度を上昇させたことによって、光ストレスを受けた目の視力の回復を早め、コントラスト感度を改善することが示されたとしています。
光ストレスからの目の視力の回復というのは、強い光を見た後の視機能の回復を意味しています。コントラスト感度は、濃淡や色の違いを目で見て識別する能力のことです。
視界がクリアになる、目のぼやけを改善するというルテインとゼアキサンチンを使った機能性表示食品のテレビコマーシャルを見ると、視力がよくなったと感じるような演出がされていますが、実際には視力がよくなるわけではなくて、明るく見える、見やすくなるという機能だということです。