サプリ概論218 鼻の不快感を軽減する機能性表示食品

目と鼻の不快感というと花粉、ほこり、ハウスダストの影響を指す表現で、この結果が掲載された研究論文を科学的根拠としたケルセチンを用いた機能性表示食品があります。

ケルセチンには抗酸化作用、抗炎症作用、抗動脈硬化作用、脳血管疾患予防、抗腫瘍効果、降圧効果、血管弛緩作用が報告されています。

ケルセチンの抗炎症作用はヒスタミンの生成や遊離など炎症に関与する複数の過程を抑制するためであると考えられています。アレルギーに対するケルセチンの生理活性としてはin vitro(試験管)試験で肥満細胞活性の阻害作用、ヒスタミン放出阻害作用、好酸球炎症の抑制などが報告されています。

目や鼻の不快感に対する研究は報告されていないことから、ケルセチンの摂取による成人の目や鼻の不快感の機能の研究が行われました。対象となった被験者は日本人の成人で、アレルギー性鼻炎QOL調査票の鼻目症状スコア胃が相対的に高い健常域者と軽症域者の男女です。

ケルセチン200mg/日を含む食品の経口摂取による4週間の介入試験を実施したところ、JRQLQ総スコア、QOL総スコア、睡眠スコア、身体スコアが有意に改善していました。

また、個別のJRQLQの質問項目では、くしゃみ、スポーツやピクニックなどの野外活動の支援、睡眠障害、疲労(疲れやすい)、フェイススケールがプラセボ(偽薬)対照群と比較して有意に低値でした。

副次アウトカムであるアレルギー性鼻炎の重症度分類では、くしゃみ、鼻漏、日常生活への支障度の項目でプラセボ群と比較して有意に低下していました。