サプリ概論220 食品も効能効果が言えなくなった

健康食品は法律の規制で、医薬品的な効能効果を述べることはできません。医薬品は疾病の診断、治療、予防に使われることが目的とされるものです。基本的には健康食品ではない一般の食品は、機能的なことは述べてもよいという判断が続いてきました。

例えば納豆や豆腐が業界をあげて健康機能のPRに励んでいたときには、納豆に含まれるナットウキナーゼには血栓を溶かす作用があるので血管の健康を保つ効果がある、納豆菌が腸内細菌の善玉菌の役割をするので腸の疾患の予防によい、ということは述べてきました。これを受けて、メディアが勝手に脳血栓症を予防する、脳梗塞を予防すると報道することにも規制はかかりませんでした。

健康食品は食品の一部であるものの、医薬品的な形状と医薬品的な使い方がされるので、一般の食品よりも厳しい目で見られてきたのは確かです。しかし、その傾向が一転したのは、機能性表示食品として一般の食品も機能を表示して販売できることになり、実際に食品のパッケージに機能性表示食品であることを表示して、その機能も表示して販売されるようになってからです。

機能性表示食品として販売するからには、健康食品と同じ厳しさで表示のチェックがされます。その一例ですが、バナナにも機能性表示食品があります。GABA(γ–アミノ酪酸)を1日に12.3mgを摂取すると血圧が高めの人の血圧を下げる機能があることが研究論文で発表されていることを根拠に、GABAを一定量含むバナナは機能性表示食品として消費者庁に届け出されています。研究論文を見ると、GABAを4週間継続摂取した結果であることがわかります。

バナナにはミネラルのカリウムも豊富に含まれていて、カリウムはナトリウムの排出を促進することから、ナトリウムが原因で血圧が上がっている人の場合には、血圧を下げる効果が期待されることになります。