サプリメントというと、今では店舗で食品や菓子類と一緒に販売される当たり前の食品というイメージがありますが、歴史を遡ってみると、今の常識とは異なる時代がありました。歴史といっても、それほど昔の出来事ではなくて、平成に入ってからのことです。
サプリメントは英語のダイエタリー・サプリメントを略したもので、ダイエタリーは食品としての、サプリメントは不足するものを補うという意味で、通常の食事では不足する栄養素を摂取するものとされています。
健康食品には不足する栄養素を補うものと、健康効果を期待する成分が含まれているものがあります。後者の健康食品を制度化したのが厚生労働省による特定保健用食品制度で、1991年(平成3年)に設けられました。
特定保健用食品制度が発足したことで、健康食品は有効性を述べて販売することができないという原則から、試験結果によって有効性が科学的に裏付けられた健康食品については、「特定保健用食品」として許可される制度ができました。
2001年(平成13年)には厚生省労働省による保健機能食品制度が発足して、特定保健用食品の他に栄養機能食品が加えられました。
栄養機能食品は、水溶性ビタミンとしてはビタミンB₁、ビタミンB₂、ビタミンB₆、ビタミンB₁₂、ビタミンC、ナイアシン、ビオチン、パントテン酸、葉酸、脂溶性ビタミンとしてはビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ミネラルとしてはカルシウム、マグネシウム、鉄、銅、亜鉛が認められました。
一般にサプリメントとして認識されている成分で、栄養機能食品はビタミン、ミネラルとして認められている身体機能を表示して販売できるようになりました。
こういった流れに続いて、1996年(平成8年)にはサプリメントの販売規制の緩和が始まりました。総理府(現内閣府)がアメリカからの市場開放、規制緩和の要求に応えたもので、サプリメントの規制緩和と販売解禁が閣議決定されました。
その後も健康食品・サプリメントに関する規制緩和が進んでいきます。