サプリ概論276 運動と入浴とサプリメントの組み合わせ

運動後に入浴をすると脂肪の分解が低下して、分解後の脂肪酸の代謝も低下することが知られています。それに関わっているのは脂肪分解酵素のリパーゼの働きの変化です。リパーゼは働きやすい温度帯が決まっています。

運動をして少し汗が出てくるような身体が少し温まった状態のときに筋肉のリパーゼの活性が高まります。筋肉にはリパーゼが多く、筋肉の温度が大きく関係してきます。

身体が温まりすぎるとリパーゼの活性が低下するので、それを抑えるために汗が多く出て筋肉の温度を下げてリパーゼの働きを戻ろうとします。

運動後に入浴をすると筋肉が温まっているところにお湯の温度が加わるために筋肉が温まりすぎて、リパーゼの働きが低下します。リパーゼは運動後に体温が高まっている30分ほどは活性化して脂肪分解が盛んになっています。この時間に入浴をすると分解も代謝も低下することになるわけです。

そのため、運動直後はシャワーだけにして、運動を終えて30分をすぎてから入浴することがすすめられます。シャワーは身体の表面だけを温めて、筋肉まで温めることがないからです。

この働きを促進するために使われるサプリメントはL‐カルニチンです。L‐カルニチンは全身の細胞でエネルギー産生を行っているミトコンドリアに取り込ませるために必要な代謝促進成分です。

L‐カルニチンは運動をしなくてもミトコンドリアへの取り込みが進むとエネルギー代謝が高まることが確認されています。

L‐カルニチンによって脂肪がミトコンドリアに多く取り込まれると、脂肪の分解が進んで、脂肪酸が多く作られます。そのために必要になるのは水溶性ビタミンのビオチンです。

この脂肪酸を効果的にエネルギー化させるためには、高エネルギー化合物のアセチルCoAに変化させる必要があり、そのときにはビタミンB₂、ナイアシン、パントテン酸が必要になります。