サプリ概論29 品質判定としてのGMP規格

健康食品やサプリメントには製造者・販売者(企業名)は記載されていても、どのような工場で製造されたのかを消費者が知ることはできません。大手企業の商品なら自社工場で作られているような印象がありますが、メインの食品は自社工場であっても健康食品・サプリメントは委託先の工場で作られているものも少なくありません。
製造を受託する会社は、国内には300社ほどあり、その規模や製造レベル、製造法の安定性、安全性には大きな差があるのは事実です。健康食品やサプリメントは、表示されている成分が含まれているのは当然のこととしても、表示されていない成分が含まれているようなことは許されることではありません。有害な成分だけでなく、有効成分であっても、表示されていない成分が含まれるようなことがあっては安心して選ぶことができなくなり、また安心して使うこともできなくなります。
サプリメントと健康食品の安全性と品質については、それを保証するGMP規格が設けられています。GMPはgood Manufacturing Practiceの略で、「適正製造規範」と訳されています。原材料の入庫から製造、出荷にいたるハード面(構造設備)、ソフト面(作業管理)のすべての過程において、製品が安全に作られ、一定の品質が保たれ、人為的な誤りを最小限にするように規則とシステムが定められています。
医薬品では早い段階から製薬メーカーに義務づけられ、これまではGMPは医薬品に対して使われてきましたが、現在では医薬品と同レベルの工場と管理のもとにサプリメントと健康食品が製造される例が増えています。ただし、法律ではサプリメントと健康食品のGMPは義務づけられていません。
品質が保持されなければ、有効成分の効果も保持されないことになります。有効性のデータベースを確認することはサプリメント・健康食品の販売会社には当然求められることであり、GMP規格をクリアしている製品であるのかを消費者も確認するのは当然のことです。そして、消費者に求められたときには裏付けの資料を提出するのもサプリメント・健康食品の製造・販売会社の責任といえます。