サプリ概論3 健康食品の定義1

アメリカのダイエタリー・サプリメント(Dietary Supplement)は、どのような人が使うものなのかが明らかにされています。DSHEA法(栄養補助食品健康教育法:Dietary Supplement Health and Education Act)を裏付けとしていますが、目的と異なるものを購入して使うようなことがあったら消費者のためにならないということで、消費者保護の観点で有効や対象の表示が義務づけられています。
それに対して日本の表示の制度では、健康食品には有効性を表示することができません。商品に表示することだけではなく、広告やホームページにも記載・表示することができません。これは医薬品と健康食品を混同して、本来なら医薬品を使用すべき人が、誤って健康食品を病気の改善に使うのを防ぐことを目的としています。そのため、医薬品と間違える原因となる有効性、摂取の用法用量、医薬品と間違われやすい形状は健康食品では許可されていません。
これは、消費者保護の観点で規制をしているということで、同じ消費者保護といっても日本とアメリカでは大きく異なっているということです。
健康食品は“食品”と名づけられていることからもわかるように、あくまで食品に分類されます。食品で病気の治療を行う人はいないという前提はあるものの、広告などの表示によって治療効果を匂わせるようなことがあり、それを防ぐために法律によって分類をして、表示できる内容に違いを設けています。つまり、前に紹介した保健機能食品の制度に基づく特定保健用食品(トクホ)、機能性表示食品、栄養機能食品は一定範囲の表示は可能であっても、これ以外のものは一般の食品と同じように効能効果などは表示できないこととなっています。
医薬品と一般食品の間に、健康食品が位置付けられている形ですが、この分類は年代によって変化してきました。1991年に特定保健用食品の制度が設けられるまでは、医薬品と一般食品だけでしたが、1991年に医薬品、特定保健用食品(個別許可型)、一般食品の分類となりました。2001年には医薬品、特定保健用食品(個別許可型)、栄養機能食品(規格基準型)、一般食品となりました。
2005年には特定保健用食品に新たに規格基準型という従来の特定保健用食品で有効性が確認されているものと同じ成分が同じだけ使われていれば認められるようになり、医薬品、特定保健用食品(個別許可型)、特定保健用食品(規格基準型)、栄養機能食品(規格基準型)、一般食品の並びとなりました。そして、2015年に機能性表示食品が加わり、医薬品、特定保健用食品(個別許可型)、特定保健用食品(規格基準型)、機能性表示食品(届出制)、栄養機能食品(規格基準型)、一般食品の並びとなり、その後は変更がなく、現在も継続されています。