サプリ概論40 中性脂肪値に作用する素材2

脂肪吸収抑制作用がある素材は、脂肪を吸着する作用によって、脂肪の結合を大きなサイズにして、小腸からの吸収を抑制するものとしてキチン・キトサンがあげられます。脂肪はグリセロールと脂肪酸が結びついて構成されていますが、中鎖脂肪酸は吸収される脂肪酸が少なく、早く燃焼(代謝)するため、これまでと同じ量の脂肪に換えて使用した場合には吸収量が抑えられます。
チアシードは水分を吸収して膨らみ、脂肪の吸収を抑制します。
キチン・キトサンは、カニやエビの甲殻に含まれる動物性の水溶性食物繊維です。キチンは甲羅の多糖類で、水にも酸にも溶けないため、アルカリ溶剤に浸すことでアセチル基とアミノ基が入れ替わってキトサンに変わります。素材にはキチン質が残っていることから、キチン・キトサンと呼ばれます。粘度が強く、有害物質や脂肪、ナトリウムを吸着して体外に排出する作用があります。コレステロールから作られる胆汁酸を吸着して排出するため、血中コレステロールを減少させる作用があるほか、高血圧の予防効果なども認められています。ミネラルの一部を吸着するほか、他のサプリメントの成分、医薬品も吸着させることで吸収が抑制されるので、他の成分、医薬品とは間を置いて摂るようにします。
中鎖脂肪酸は8~10個の炭素鎖が結びついた飽和脂肪酸で、特定保健用食品として許可されています。普通の植物油に含まれているのは長鎖脂肪酸で、脂肪酸の炭素数は通常は18個程度です。長鎖脂肪酸は体内に吸収された後、脂肪細胞、筋肉、肝臓に蓄積され、必要に応じて分解されてエネルギーとなりますが、中鎖脂肪酸は消化吸収が4倍も早く、肝臓に直接運ばれて早くエネルギーになり、内臓脂肪の蓄積を減らす作用があります。
チアシードはアステカ族が古来より常用してきたミント種に属する植物種子で、ω(オメガ)3脂肪酸が23%と食品の中では極めて含有量が高く、血管保護、血流促進などの作用があります。このほか、食物繊維、たんぱく質、カルシウム、鉄、マグネシウム、亜鉛、抗酸化成分が豊富に含まれています。34%も含まれている食物繊維のうち水溶性食物繊維の割合が高く、胃の中で水分を吸ってゲル状(ゼリー状)になり、約14倍にも膨らみます。そのため胃が膨らむことで腹持ちがよく、吸い込まれた水分は胃の中から徐々に腸に送られていくことから、水分が急激に失われることがなく、ランニングフードとも呼ばれています。また、水溶性食物繊維は脂肪の吸着力も強く、これらの機能によって中性脂肪値、血糖値、血圧の降下の作用があります。一般のチアシードは黒いものですが、脂肪の吸着力と保水性が高いことが知られる白いサルバチアもあります。