サプリ概論44 中性脂肪値に作用する素材5

脂肪燃焼促進作用がある素材は、血液中に放出された脂肪酸を筋肉細胞に取り込み、燃焼(代謝)を促進します。
脂肪燃焼作用のある素材として前回はα‐リポ酸、L‐カルニチンを紹介しましたが、それに続いてカプサイシン、ビタミンB₂、分岐鎖アミノ酸を紹介します。
摂取タイミングですが、血液中の脂肪酸が増える運動後や食事の後に摂ります。
カプサイシンは、南アフリカ原産のナス科1年草のトウガラシ(唐辛子)の種子などに含まれる辛味成分です。血液中に入ると興奮ホルモンのアドレナリンやノルアドレナリンの分泌を盛んにして、体内のエネルギー代謝を促進し、脂肪の燃焼を促進します。また、皮膚温を上昇させて血液循環を促進する作用があり、食べるだけで発汗を促します。
ビタミンB₂は水溶性ビタミンで、リボフラビンとも呼ばれています。糖質、脂質、たんぱく質のエネルギー代謝の補酵素で、特に脂質の分解・合成に深く関わっているため、不足すると血液中の中性脂肪や体脂肪の増加を引き起こします。ビタミンB₂が欠乏すると口内炎、舌炎症、口唇炎、角膜炎などが起こります。脂質の摂取が多くなるとビタミンB₂の必要量が増え、体内で不足しやすくなります。サプリメント素材では、ビール酵母、ケール、クロレラ、スピルリナなどに多く含まれます。
分岐鎖アミノ酸は必須アミノ酸のうちバリン、ロイシン、イソロイシンの総称で、BCAAとも呼ばれます。筋肉のエネルギー源となる唯一のアミノ酸で、枝分かれをする分子構造のため分岐鎖アミノ酸と呼ばれます。筋肉を構成する必須アミノ酸の30~40%がBCAAで、筋肉のタンパク質分解を抑制し、活動時には筋肉でエネルギー源となり、筋肉を維持するアミノ酸となります。これによって脂肪燃焼が促進されます。運動能力の向上、筋肉痛と筋肉疲労の軽減などの作用が認められています。