抗酸化作用のある素材の紹介の第3回です。
カシスは黒スグリ、黒房スグリ、ブラックカラントとも呼ばれる北ヨーロッパからアジアの寒冷地に生育するユキノシタ科の潅木で、そのベリー類の実が使用されます。抗酸化作用がある青色色素のアントシアニンが豊富で、黒く見えるほどにポリフェノールが多く、その量はブルーベリーの3~4倍にも達しています。眼疲労の軽減、眼の毛様体筋の緊張の軽減による近視の抑制、眼の末梢血管の血流の促進などの作用があります。果実は原則的に原産地で生育したものに抗酸化成分が多く含まれますが、カシスは例外的に強い紫外線が注がれるニュージーランドで栽培されたもののほうがアントシアニンの含有量が多いことが確認されています。
カテキンは緑茶などの茶葉の渋味成分のポリフェノールで、ビタミンEの約20倍の抗酸化作用があり、殺菌・抗菌作用、血糖降下作用、中性脂肪降下作用があります。緑茶に含まれるカテキンの半分ほどがエピガロカテキンガレートで、そのほかにエピガロカテキン、エピカテキン、ガロカテキンなどがあります。緑茶、紅茶、ウーロン茶もツバキ科の茶葉から作られますが、強い抗酸化作用があるエピガロカテキンガレートは緑茶に多く含まれます。緑茶のカテキンの含有量は茶葉の8~15%で、上級煎茶に多く、上級の玉露や番茶には少なくなっています。カテキンは薄い黄色で、茶の色の緑色は葉緑素(クロロフィル)の色素です。茶葉は乾燥しているときには酸化しないものの、お湯を注ぐと酸化が始まり、30分ほどで酸化が大きく進みます。