サプリ概論6 健康食品の課題2

サプリメントや健康食品を活用していることは別に隠すようなことではありません。アメリカでは健康に気づかい、積極的に日常生活にも仕事にも取り組んでいる人の利用率が高く、優れた人であることを証明することともなっています。それに対して日本の現状は、医療機関においては医師に摂取について聞かれても、摂取していることを隠す傾向が強くあります。医薬品を信用していないと思われること、食事療法に従っていないと思われることを恐れている場合もあります。
医師は栄養の専門家ではなく、医学系大学(医師養成機関)でも栄養学講座があるのは3分の1以下でしかありません。また、教科に栄養講座があったとしても、必修である医学系大学は数えるほどでしかありません。また、病院に勤務する栄養士の中には、食事だけで解決するのが正しい方法であると信じて、サプリメントや健康食品の使用を認めようとしない人も少なくありません。
医師がサプリメントや健康食品の使用について聞くのは、医薬品との相互作用があるからです。食品成分であっても凝縮、濃縮されたものは医薬品の組み合わせと同様に相互作用(医薬品同士の副作用に相当)が起こる可能性が高くなっています。医薬品と健康食品成分の相互作用をまとめた世界データベースのナチュラルメディシン・データベース(natural medicine database)の日本対応版には1200種類以上の素材が掲載されており、そのうちの25%ほどには健康被害が認められた相互作用がある医薬品が示されています。
サプリメントや健康食品を使用していると叱られると思って隠している人は多く、中でも家庭の料理を担当している人(妻、母など)はサプリメントを使用していることを知られると家事を手抜きしているように思われることを恐れてか隠しがちです。発達障害児には極端な偏食がみられ、それをサプリメントによって解決したいと望み、実際に使用している保護者は多いのですが、医師や教師などには特に隠してしまいます。
そのためにサプリメントや健康食品の的確な情報が得られず、あまり効果がない状態で高価なサプリメントや健康食品を使い続けている例もあります。このような状況を解決するためには、的確な情報を得ることができる講習が必要となります。