サプリ概論62 腸内環境に作用する素材1

腸内細菌は善玉菌、悪玉菌、日和見菌に大きく分けられます。どの細菌も栄養源を取り入れて、代謝物を排出していますが、人間にとって有益な酸性成分を排出するのが善玉菌、有害なアルカリ性成分を排出するのが悪玉菌です。日和見菌は腸内環境によって善玉菌にも悪玉菌にもなる細菌です。整腸作用があるものは、プロバイオティクスとプレバイオティクスルに分けられます。
プロバイオティクスは腸内細菌のバランスを改善する善玉菌に当たる乳酸菌、納豆菌などを指します。乳酸菌などは腸内には1〜2日ほど生存していますが、その間に乳酸菌などによって腸内環境が酸性傾向になることによって善玉菌が増えやすくなります。善玉菌が増えると悪玉菌が減っていきます。
摂取タイミングですが、善玉菌のエサとなる糖質、食物繊維があることで腸内に残りやすいので食事の後に摂ります。また、乳酸菌は強酸性の胃液によって壊されやすいので、胃液が薄まっている食事の後のほうが生きたまま腸まで届きやすくなります。
プロバイオティクス作用のある素材としてはケフィアとビフィズス菌があげられます。
ケフィアはケフィールとも呼ばれる旧ソ連の黒海とカスピ海の間の山岳地帯のコーカサス地方の伝統的な発酵飲料で、コーカサスの長寿研究から注目されました。黄色の塊ができることから日本ではヨーグルトキノコとも呼ばれ、ロシア語に合わせてケフィールとも呼ばれます。一般的なヨーグルトは乳酸菌だけの単独発酵であるのに対して、ケフィア菌は複数の乳酸菌と酵母が共生発酵したものです。菌に牛乳を合わせた乳酸飲料のほか顆粒製品もあります。整腸作用のほか、糖尿病や肝機能の改善、LDLコレステロール値の正常化などの作用があります。
ビフィズス菌は乳酸菌の善玉菌の一種で、オリゴ糖などの糖を発酵させて乳酸を作り出す微生物です。体内では小腸と大腸に存在し、悪玉菌を増やす肉食や脂肪の摂りすぎ、ストレスや抗生物質の摂取などによって減少しやすくなります。腸内の悪玉菌を減らし、善玉菌を増やして便秘を解消するほか、免疫強化、LDLコレステロール値低下、肝機能向上などの作用があります。