サプリ概論63 腸内環境に作用する素材2

腸内細菌の善玉菌を増やす役割をするプロバイオティクスの働きをサポートするのがプレバイオティクスです。プレバイオティクスは善玉菌の増殖を促進する食品成分で、プレバイオティクスを摂ることで善玉菌を増やすことができます。
摂取タイミングとしては、食事の後に摂ることで、腸まで届きやすくなります。
プレバイオティクス作用のある素材としてはオリゴ糖、フェカリス菌、サイリウムがあげられます。
オリゴ糖は消化酵素によって分解されず、大腸内でビフィズス菌などの善玉菌の栄養源になる難消化性の糖です。オリゴは「少ない」の意味で、最小単位の単糖が2~20個、鎖状に結合したものです。代表的なオリゴ糖にはフラクトオリゴ糖(アスパラガス、ニンニクなど)、大豆オリゴ糖、ガラクトオリゴ糖(母乳や牛の初乳)、キシロオリゴ糖(食物繊維を発酵させた難消化性オリゴ糖)などがあります。シクロデキストリン(環状オリゴ糖)では、6個のブドウ糖が結びついたα‐シクロデキストリンがオリゴ糖の役割をします。腸内細菌の善玉菌の代表であるビフィズス菌の増殖のほか、便秘や下痢の改善、たんぱく質の消化吸収の促進、ミネラルの吸収の促進、脂質代謝の改善などの作用があります。
フェカリス菌は菌体が小さい乳酸菌の一種で、乳酸菌の中でも球形のため乳酸球菌に分類されています。乳酸菌は生菌が食品などに添加されますが、フェカリス菌は過熱殺菌処理した死菌となっています。フェカリス菌は死菌で摂ると腸内細菌の善玉菌の栄養源(エサ)となり、善玉菌を増やすほか、免疫力の向上、コレステロール低下、血圧降下、抗アレルギーなどが確認されています。サイズは1μm(1㎜の1000分の1)と通常の乳酸菌の5分の1ほどで、少量で大量の菌を摂ることができます。1回分で1兆〜4兆個を摂ることができる製品もあります。
サイリウムはインドや地中海地域で栽培されているオオバコ科の植物で、種子の半透明の膜に水溶性と不溶性の食物繊維が豊富に含まれています。善玉菌を増やす作用があるほか、水を吸収して固形になって有害物質や不要な物質を吸着して排泄させる作用があります。便通の促進、血糖値の抑制、コレステロールの抑制などの効果があります。