このサイトの「サプリメント事典」の中にあるシクロデキストリンは、まだ広く知られていないのですが、実際は多くの食品に使われていることもあり、メディアから質問が多く寄せられます。メディアに理解してもらえないと、一般には広まらないので、質問には丁寧に答えています。
シクロデキストリンは環状オリゴ糖とも呼ばれていて、環状オリゴ糖の名前で花王のヘルシアやファンケルの大人のカロリミットなどに原材料として使われています。これは高濃度茶カテキンやブラックジンジャーの強烈な味を弱めて飲めるようにして、吸収されるようにするためのカプセル役として使われています。なぜ吸収されやすくなるかというと、シクロデキストリンはγタイプ(γ−シクロデキストリン)が8個の糖が環状につながったもので、サイズは0.9〜1.0nm(ナノメートル)となっています。この1nm以下の環状の中に体内に届ける成分が入り、腸壁から1nm以下のサイズのまま吸収されていきます。
シクロデキストリンのαタイプ(α−シクロデキストリン)が6個の糖が環状につながったもので、サイズは0.5〜0.6nm(ナノメートル)と1nmよりも小さくなっています。αタイプは環状の中に有効成分を入れて届けるのではなく、そのままで使われますが、体内に吸収されたくない脂肪を吸着するように取り込んで、吸収されないようにして体の外に捨てる役割をしています。
ナノサイズというと小さいものを示すときに使われますが、一般にはナノサイズというと100nmとなっています。これを聞くと1nmの100倍かと思うかもしれませんが、縦が100nm、横が100nm、高さが100nmの立方体となっています。つまり、「100×100×100=1,000,000nm」で、100万倍のサイズになります。100万倍といったら、あまりに大きな差すぎます。
1nmは1mm(mm)の100万分の1のサイズですが、あまり想像できない大きさです。他のものと比べてみると細胞が1000nm、ウイルスが100nm、タンパク質が10nm、DNAが1nmです。これよりも小さな分子や原子は0.1nmで、いかに小さいかがわかるかと思います。