シン・日本人の体質13 細胞を活性化させるエネルギーの役割

エネルギー代謝というと、食事で摂ったエネルギー源(糖質、脂質、たんぱく質)が体内でエネルギー化することを一般に指しています。エネルギーを発生させているのは全身の細胞の中にあるミトコンドリアです。

エネルギー代謝が盛んになると、余分な脂肪がエネルギー化されることで太りにくい、エネルギーが多く発生した分だけ身体が温まるということが注目されがちですが、エネルギー代謝の結果は、それだけではありません。

エネルギー代謝の割合は、生命維持に必要な基礎代謝が約70%、活動代謝が約20%、食後の熱産生が約10%とされています。基礎代謝の70%は体温の維持に使われているので、全身で発生したエネルギーのうち半分ほどは体熱に使われていることになります。

エネルギー代謝は2つに分けられていて、エネルギー物質からエネルギーが発生するのは前半であって、異化と呼ばれています。発生したエネルギーを使って、それぞれの細胞が働くことは後半で同化と呼ばれます。

細胞の中で発生したエネルギーは、その細胞の中でしか使われません。細胞の働きを高めようとしたら、エネルギーを多く発生させることが必要になります。臓器を元気にしようとしたら、その臓器を構成する細胞が本来の働きができるように、エネルギー代謝を盛んにしなければならないということです。

そのためには、エネルギー量が多い脂肪を有効に代謝させることです。エネルギー量はエネルギー源によって違っていて、糖質とたんぱく質は1gあたり約4kcal、脂質(脂肪)は約9kcalと2倍以上のエネルギー量があります。

そこで代謝促進物質として、脂肪酸をミトコンドリアに送り届けるL–カルニチンが注目されています。日本人は血液温度が低くて、それが冷えやすい体質の要因となっていますが、血液温度は脂肪酸が多くエネルギー化されて、細胞が温まることで高まっていきます。

L–カルニチンは日本人の冷えの体質を改善することも期待されているのです。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕