日本人と欧米人の血液の温度の違いは、歴史的に主に食べてきたものが関係しています。
民族による血液温度の違いは前回(シン・日本人の体質15)紹介しました。
日本人の主食は、現在こそ多彩になっているものの歴史的に食べてきたのは米飯です。欧米人の主食はパンや麺類で、分類としては米飯と同じ糖質ではあるものの“実際の主食は肉”と言われるほど欧米人は肉の消費量が多くなっています。
ステーキのサイズの一つのポンドステーキは、1£(ポンド)の重量のステーキということで、1£は450gに相当します。牛肉100g(脂肪付き)のエネルギー量は400kcalほどであるので、450gでは1800kcalにもなっています。
ヨーロッパの文明は北方で発展したために、穀類を充分に摂ることができず、主なエネルギー源を肉類に頼ってきました。肉類には脂肪が多く含まれることから、脂肪を効果的にエネルギーとして使って、血液の温度を高める能力が高まってきました。
脂肪をエネルギーとして代謝させるために必要な成分として、体内で合成されるL‐カルニチンがあります。代謝促進成分のL‐カルニチンは肉類に多く、歴史的に肉類を多く食べてきたことによって体内にL‐カルニチンが多く蓄積される体質となりました。
この体質は、同じ寒い環境で暮らす人たちに遺伝によって伝えられていきました。そのため、肉類を多く食べても脂肪をエネルギーとして代謝させる高い能力が備わり、その分だけ多くの体熱を作ることができるようになったということです。
その能力は、日本人は残念ながら低くなっています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕