シン・日本人の体質4 体質に合った健康法

日本人の体質は欧米人だけでなく、東アジアの各国とも異なっていることを前回(シン・日本人の体質3)説明しました。東アジアの中国、韓国、モンゴルなどは外見も顔立ちも日本人に近いことから、体質も同じと考えられがちですが、身体の中は大きく違っているところがあります。

身体の構造と機能は同じであっても、その働きや調整能力には違いがあり、同じ生活パターンで、同じものを食べていても、身体の反応には違いがあります。反応の違いは、健康づくりの方法による結果も違ってきます。

東洋医学は、西洋医学が中心の日本にあっても人気が高く、体質に対する考え方も広く支持されているところがあります。東洋医学では「証」によって個人の状態を判定して、それに合致した方法で改善を図っています。

病気や体調の不良を検査によって発見したら、それを治す薬を出すというのは西洋医学的な発想で、東洋医学では治療のための薬と証に合わせた改善法を組み合わせて対処しています。

証は、自覚症状と他覚的所見から得られた状態(体質、体力、抵抗力、症状の現れ方などの個人差)を表す東洋医学特有の用語です。健康状態を保つために良いとされることであっても、体質に合わないと状態を悪化させて、かえって健康を害することになるという考え方が基本となっています。

証は複数に分類されていますが、その根本として使われているのは3つの分類です。
身体が温かいか冷えるか、体内の水分が多いか少ないか、体力があるかないかといったことで、温冷でいうと温かいか冷えるか、どちらでもない中庸かという大きな分けられ方がされています。この3種類の分類で3つの判定をすると全部で27パターンとなります。

最も良い状態は、すべてが中庸ということです。

検査によって病気が発見されて、医薬品を使う場合には、西洋医学では最も効果があるものが選択されますが、東洋医学では体質に合ったものの選択が優先されます。薬効があっても、体質に合わないものは結果が出にくく、場合によっては悪化させることにもなります。

身体を温めるのは健康によいとされているものの、身体が温まりやすい体質の人には体温が高まりすぎて、かえって状態を悪くすることにもなります。

この考えとは異なる、体質を踏まえていない日本の治療については、次回(シン・日本人の体質5)、明らかにしていきます。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕