セカンドステージ27 高齢者の就業の実態

高齢者の現状と仕事の状態についての統計調査は総務省が行っています。2024年9月15日に最新の調査結果が発表されましたが、日本の総人口(約1億2376万人)は前年より約59万人減少した一方で、65歳以上の高齢者は2万人増えて、過去最多の約3625万人(男性は約1572万人、女性は約2053万人)となりました。

65歳以上が総人口に占める割合は前年に比べて0.2ポイント増えて、29.3%と過去最高となりました。もちろん、世界と比較しても最も高い割合です。

2023年の時点で仕事に就いていた高齢者は約914万人で、25.2%になっています。また、全就業者の割合でも13.5%を占めていて、7人に1人が高齢者となっていました。高齢者の就業者数は20年連続で増加しています。

このような現状を反映して、70歳以上でも働くことができる制度を設けている企業も増えています。全国平均では41.6%となっています。中国地方5県では46.4%を占めていて、半数近くが希望者の雇用継続や定年制の廃止などに取り組んでいることがわかります。

これは中国地方5県の労働局が従業員21人以上の計1万3987社を調べた結果で、県別では広島県が42.2%、岡山県が45.3%、島根県が55.3%、鳥取県が42.6%、山口県が46.8%と、いずれも全国平均の41.6%を上回っています。ちなみに島根県は全国トップとなっていました。

70歳まで働ける制度があるとした広島県の2322社に具体的な制度を質問したところ、「希望者全員を継続雇用」が25.5%、「基準該当者を継続雇用」が21.2%、「定年制の廃止」が9.2%、「その他の制度」が36.6%となっていました。

2021年4月に高年齢者雇用安定法が改正され、65歳までの定年退職年齢の延長、70歳までの雇用の努力義務化が定められました。猶予期間は2025年3月末までで、4月1日からは65歳の定年が義務化されることから、企業や団体の高齢化に合わせた対応が強く求められる時代の始まりが、目の前まで近づいています。
〔セカンドステージ連盟 小林正人〕