日本の少子高齢化の特徴的な問題は、子どもが減って高齢者が増えることだけではなく、全体の人口が大きく減っていくために、高齢者が産業を支える立場となり、年々その重要性が高まっていくことにあります。
すでに人口は2008年には1億2808万人とピークに達しており、それ以降は減少に転じて、2050年(25年後)には1億人を下回り、2100年には5000万人を下回ると予測されています。
この状態を受けて、2025年には本人が希望すれば65歳までの雇用確保が義務づけられました。そして、2021年に改正された高年齢者雇用安定法では、70歳までの就業機会の確保が努力義務とされました。
こういった流れを受けた形で、高齢者の定義の見直しも検討されるようになっています。
2017年に日本老年学会と日本老年医学会が、これまでの前期高齢者(65〜74歳)、後期高齢者(75歳以上)とされてきた高齢者の区分を、准高齢者(65〜74歳)、高齢者(75〜89歳)、超高齢者(90歳以上)とすることを提言しました。
提言の根拠として、10年前に比べて心身の状態が10〜20年も若返っているとの研究成果を掲げ、准高齢者は高齢社会において支えられる側から支える側になることが示されました。10年も若返っているとすると、准高齢者は高齢者ではなく、55〜64歳に相当する体力と認知力であるとのことから、社会を支える側となることがわかります。
年齢を重ねても働くことができる時代になってきているといっても、体力や集中力、生活習慣病をはじめとした身体の状態には個人差があります。個人の状態を把握して、それに個人の希望を重ねていくことが重要になります。個人の状態と的確に把握するとともに、個人の状態に適した働き方を企業や団体が考え、具体的に実施していく時代に突入しているのです。
〔セカンドステージ連盟 小林正人〕