タクティシャン17 戦略メニュー:メディカルダイエットのタイミング2

食後の空腹時間に筋肉運動をすると、脂肪合成が進みにくくなり、脂肪細胞に蓄積される中性脂肪が少なくなるというメカニズムについて前回(タクティシャン16)説明しましたが、それに続いて食後の運動と脂肪蓄積について紹介します。

食前の運動の効果を説明すると、必ずといってよいほど聞かれるのが、食後の運動でも効果があるのかという質問があります。脂肪合成と代謝の研究から、最も効果が得られる運動と食事のタイミングは夕食前の運動ということで、その効果は理解できても実際に続けることは難しいということが多いことは承知しています。

夕食を食べるだけという人なら夕食前の筋肉運動は可能でも、夕食を作る人にとっては、運動して直後に夕食を食べるというのは不可能に近いことです。そのため、夕食後の運動の効果に関心があるわけですが、できれば夕食後でも夕食前の運動と同じような効果が得られないかという質問があるのも理解ができるところです。

食後は身体を休めて消化を促進するのが普通のことで、夕食は自律神経の副交感神経の働きが盛んになっていることから、副交感神経の作用によって膵臓から多く分泌されるインスリンによって肝臓での脂肪合成が進みやすくなります。

本来なら太りやすい時間帯だけに、その後の運動は気になります。消化・吸収のことを考えなければ、夕食の直後に運動をするのはダイエット効果が高いことになります。運動によって交感神経の働きが盛んになると、副交感神経の働きが抑制されて、脂肪合成が進みにくくなります。

運動によって体脂肪(脂肪細胞に蓄積された中性脂肪)を減らせばよいということではなく、筋肉もつけつつ、体脂肪も一定量は確保して起きたいというときには、食事をして30分後の有酸素運動がすすめられます。

体脂肪が増えた後の運動で、血液中の余分な脂肪をエネルギーとして消費しながら、運動による筋肉を低下させないようにすることで、脂肪を減らしすぎない身体を保つことができるようになります。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕