ツイン・ウォーク19 肝機能対策の効果的な歩き方その1

肝機能が低下した場合には、肝臓を休めて機能を回復させることが一番とされるので、運動よりも、まずは休むことが必要になります。ところが、肝機能の低下の原因が脂肪肝であった場合には、むしろ運動をして、肝臓にたまった脂肪を減らすことで肝機能を改善することができます。

正常な状態では肝臓の中には3~5%の中性脂肪が含まれています。肝臓には体内で余分となった脂肪を蓄積する働きがあって、血液中の中性脂肪が低下したときには肝臓から放出されてバランスを取るようになっています。

ところが、脂肪肝と診断されたときには、肝臓に含まれている中性脂肪は5%を超え、悪化すると30%以上に達することもあります。これは世界の三大珍味の一つとされるフォアグラのようなものです。ガチョウに過剰に栄養を与えて肝臓に脂肪を蓄積させて肥大させたのと同じ状態が脂肪肝なのです。

脂肪が蓄積された肝細胞は、本来の働きが低下します。そのため、体内の脂肪を減らして、肝臓の脂肪を減らすことができる運動は、健康の維持のために積極的に取り組むべきことといえます。中でも効果があるのは、脂肪が代謝しやすい有酸素運動です。

肝臓は肝細胞と血管が集合したような構造になっています。内臓肉のレバーの色を見ればわかるように、多くの血液が流れ込んでいます。肝臓は、胃と腸を通過して食品から摂った栄養成分が流れ込むところであり、全身の臓器から流れ込んでくる有害物質を解毒する器官です。また、全身に必要なたんぱく質や脂肪、コレステロール、グリコーゲンを合成して運び出すところであり、血液を溜め込むことによって全身の血液量の調整も行っています。

そのような働きをする肝臓を通過する血液の量は、通常では1分間に約1.5ℓ、1日に約2160ℓで、これは一升瓶なら1200本分にも相当する量です。これだけの量の血液が流れ込むことで、肝細胞の酵素が500種類もの働きをしています。
〔日本メディカルダイエット支援機構 理事長:小林正人〕